心のともしび 1日一編の法話
今年も残すところあと1週間となりました。
新年を気持ちよく迎えるために、今年中にやっておきたい事、今年やり残した事をなんとか終わらせたいと誰もが忙しく過ごす今日この頃です。
その一つに年末の大掃除があります。
大掃除はもともと古くから日本に伝わる神事であり、煤払いをし元日に「歳神様」を迎えるための準備という事です。
由来はどうであれ、綺麗にした家の中で新年を迎えるのは気持ちのいいものだと思います。
今年が良い年であった人も、そうでなかった人も大掃除(煤払い)を終えたすっきりした部屋の中で、行く年を振り返ってみるのもいい物かもしれません。
私の好きな言葉に「賢者は聞き 愚者は語る」という古い言葉があります。
愚者は自分の知識をひけらかし、知らない事を人にたずねる事をしないのでそれ以上賢くなる事は出来ない、逆に賢者は知らない事があれば誰にでも聞いて教えを乞うのでより一層知識が増えていく。
という意味で私はとらえています。
賢者とは 自分の知っている事と知らない事の境目を知っている人の事だと思います。
通信機器などあらゆる分野でデジタル化が進み「デジタルハラスメント」という言葉さえ聞こえてくる昨今です。
すでに若くはない世代の人々はこれ以上デジタル化が進まない事を願っているのかもしれませんね、でも私も含めその世代の人々には今の若者には少ない「言葉によるコミュニケーション能力」があり知らない事と知っている事を知る賢さがあるのだと思います。
知らない事は決して恥ずかしいことではないのです。知らない事を知らないままにしてどんどん時代に取り残されていくことの方が問題です。
バタバタしている間に気が付けば今年もあと2週間!
世界中を熱くさせたワールドカップもアルゼンチンの優勝で終わりました。
最優秀選手に選ばれたのが、メッシ選手。
アルゼンチンの貧しい家に生まれたメッシ少年は子供の頃に身長が伸びない「成長ホルモン分泌性低身長症」という難病にかかりました。
高額な治療費を払えなくて一時はサッカーをあきらめなければならない時期もあったそうですが、スペインの名門バルセロナがメッシの治療費を全額負担するという事で選手契約をし、
幼いメッシは故郷と家族と離れ遠い異国へと渡りました。
それから数十年 彼は故国のヒーローとなりました。
神様は耐えられる困難しか人に与えないといいますが、1万人に2.3人しか発症しないという難病という困難が彼に与えた苦労はどれほどの物だったのでしょうか?
確かに生まれ持っての才能はあったのでしょうが、それだけではなく彼が背負った困難が彼を強くし押し上げて行ったような気がします。
神様が彼に与えたご褒美の勝利だったと思えてなりません。
日蓮聖人がある尼御前に手紙で述べた言葉です。
必ず誰にでも訪れる”死”について考えることこそ”生”の意味を知る事であり、どのように生きるべきがが見えてくる。という意味です。
若い頃には”死”を意識せずこの若さがずっと続くのだと思っていても、”死”は誰にでも必ず訪れるものです。
年を重ねると親しい友人や親兄弟などの”死”に度々出会います、そして初めて”死”を意識します。
そこで今生きている事のありがたさを強く感じるのだと思います。
生と死は表裏一体のものであると知り、常にそのことに思いを抱けばより良い生き方が出来るのではないでしょうか?
世の中 誰一人として同じ人はいません。
生まれ育った環境・場所によっ文化も習慣も違います。
考え方・物の見方も人それぞれです。
そんな私たちが、それぞれ社会のコミミュティーの中で共存しているのですから意見の違いがあって当然だと思います。
お互いの違いを理解し、それを個性だと認識した上で議論しあえば争いは少なくなるはずです。
少しだけ相手の気持ちになって物事を考えると、もっと楽しく人生を送れるはずですよね!