ご挨拶

先行き不透明な現代を生きる人々は、何かしら行き場のない苦や不安を抱えています。掲示布教は不特定多数の人を対象にしているので、同じ言葉でも人によって受け取り方は様々ですが、掲示板の中の言葉が一人一人の人生に大きな影響を与える事があると考えます。
人々の寺離れが進む中、寺と外部の人を繋ぐ布教掲示板は、仏教そのものや寺の活動に興味を抱いてもらう為の手段として大きないみがあるのではないでしょうか?

実際に日本人の根底に流れる仏教に対する感性は衰えた訳ではありません。除夜の鐘を聞いて一年を締めくっくり、道端の地蔵に心を寄せる気持ちは現代を生きる人の心にも根づいています。ただ、時代の移り変わりとともにお寺と地域の繋がりが希薄になり、寺院や僧侶と接点がないままに並行線を辿っている状態であると思います。

仏教の本質的な内容は社会を超え時代を超えたものでなくてはならず、掲示布教の内容も時期相応に工夫、改善する事が必要です。掲示布教はお寺や住職の個性を伝えるお寺の顔であります。
私たちは後世に仏教の教えを伝達していく役割を担っているのですがら、一般の方々に向けてもっとわかりやすい言葉で発信していくことが大切です。
伝道句、寺報、法話などで仏教の教えを優しく説いて相手の心に安らぎや気づきを与え、精神面において尽くすこと、これは私たち僧侶の最も大事な役割だと考えます。また人々の心の穴を埋め得るものこそ仏教の存在であるのです。

了圓寺の門前や駐車場にも楽しい布教掲示板を季節や月の変わり目なっどに掲げております、通りすがりに足をとめ掲示板を楽しみに読んで下さる人々をお見掛けする事は私にとって幸せな事です。                                                                

日々の生活の中に仏教の教えを取り入れて、少しでも心豊かに暮らし自分自身と向き合るきっかけとなるような言葉で語り、人々のこころの灯りをともしたいものです。

                                                               住職 中山浄敬

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