心のともしび 1日一編の法話
夫を亡くして悲嘆にくれる千日尼への手紙の中で日蓮聖人は「あなたの息子は先日も身述山に登り父親の墓参りをしていました、あんなに親孝行な息子がいるではありませんか。」と言って彼女を慰めています。
親にとって子供は何物にも代えがたい宝であり、親もまた子にとっては宝なのです。
”親思う心に勝る親ごごろ けふの音づれ何ときくらん”
明治維新の立役者の一人吉田松陰先生の親に向けた辞世の句です。親が子供を思う気持ちは子が親を思う気持ちにも強いのだが、今日、処刑され親よりも先に死んでいく我が身の事を親はどのように聞くのであろうか?
日ごろは当たり前すぎて感謝の気持ちを忘れがちですが、時には感謝の気持ちを思い出し元気に親よりも長く生きることが親孝行だと思います。
苦をば苦とさとり、楽をば楽とひたき、苦楽ともに思い合わせて南無妙法蓮華経とうちたなへゐさせ給へ。
この文は日蓮聖人が四条金吾に向けて送った手紙の一文です。
当時金吾は法華経を信仰することにより、数々の中傷を受け苦しんでいました。
”苦しい時は苦しいと素直に受け止め、楽しいことも楽しいと謙虚に受け止め法華経を唱え続けていけば、必ず揺らぐことのない自己が確立するはずです”
このように聖人は金吾を励ましました。
人は悲しいことや不幸な事があると気分がふさぎ落ち込みます、また良いことが続くと有頂天井なり自分を見失いがちです。
が、何が起ころうと自分の進むべき道を目指し、ぶれない事が大切である、法華経を唱え続ける事の意味がそこにあるのだという事です。
先日ドイツ戦に勝利した時に監督が言っていましたが、一喜一憂せずに次の試合に向けて全力を尽くすと・・・。
結果、コスタリカ戦には負けてしまいましたけど、正にこの一喜一憂しない事、信念を持ち一本筋の通った人になりたいものですね。
仏教の教えのひとつに「和顔愛語」という言葉があります。
和やかな笑顔と心優しい言葉で人に接することで、平常心をたもち健やかに生活することが出来る、という意味です。
真偽のほどは分かりませんが、笑う事で免疫力があがり、健康を増進するそうです。
確かに、笑顔は人との関係を円滑にし、スムーズに物事を進めるには必要であると感じます。
11月27日(日)に神戸の立正寺にて「板宿寄席」を開催します。
遠方ではありますが、足を延ばしてみてはいかがですか?
笑う門には福来る! です。
日蓮聖人は立正安国論の中でこのように記されています。
一日に千里を走ると言われる駿馬の尻尾に捕まればアオバエも万里を走る事ができ、小さな庭先のツタでも松の木によれば高く延びる事が出来る。
という事をたとえに用いて、法華経を信じ、精進すれば誰でも救われるという事を教示されているのです。
拡大解釈をすれば人は環境によって大きく成長するという事だと思います。
20数年前 サッカーのプロリーグの無かった日本では、ワールドカップに出場することさえ夢物語だったのですが、その後Jリーグが設立され、サッカーという競技に多くの日本人が注目し、多くのプレーヤーが海外に渡る環境が徐々に整っていったのです。
その結果が昨日のドイツ戦の歴史的な勝利に繋がったのだと思います。
何はともあれ、ドイツ戦の勝利には感動しました!
環境って本当に大事ですよね。
「法華経を紙に書かれているように声をあげて読むことはたやすいが、書かれているように行動するのは難しい」
という意味です。
日蓮聖人は自ら法華経の教えを守るために、数々の迫害。苦難に立ち向かっていかれました。
何事も知識を蓄えるだけでは意味ががなく、それを実践してこそ世の中のためになるのだという事を身を持って人々に伝えました。
よく耳にする故事に 「言うは易く行うは難し」とあります。
言ったことは実行・行動する・・・。
私たちも、このように生きていきたいものですね、