心のともしび 1日一編の法話

2022-11-29 11:56:00

 夫を亡くして悲嘆にくれる千日尼への手紙の中で日蓮聖人は「あなたの息子は先日も身述山に登り父親の墓参りをしていました、あんなに親孝行な息子がいるではありませんか。」と言って彼女を慰めています。
親にとって子供は何物にも代えがたい宝であり、親もまた子にとっては宝なのです。

”親思う心に勝る親ごごろ けふの音づれ何ときくらん”
明治維新の立役者の一人吉田松陰先生の親に向けた辞世の句です。親が子供を思う気持ちは子が親を思う気持ちにも強いのだが、今日、処刑され親よりも先に死んでいく我が身の事を親はどのように聞くのであろうか?

 日ごろは当たり前すぎて感謝の気持ちを忘れがちですが、時には感謝の気持ちを思い出し元気に親よりも長く生きることが親孝行だと思います。