心のともしび 1日一編の法話
日蓮聖人は、強敵の存在こそが人を成長させると言われました。
資本主義の基本原理である自由競争の考え方である「競争の原理」
褒めたたえてくれる味方の存在だけでなく、強敵(ライバル)の存在が非常に大事であるという事をすでに知っておられたのですね。
まもなく開催されるサッカーのワールドカップ、日本代表の成長の陰にもそれぞれの選手には必ずライバルの存在があり、その存在が、世界の舞台で戦えるスキルを持つにいたったのだろうと思います。そういう視点でワールドカップを楽しむのも一興かと思う今日この頃です。
そういえば、先月亡くなったアントニオ猪木選手にもジャイアント馬場選手というライバルの存在がありましたよね…。
日蓮聖人は 「人の衣服や食料など大切な物を奪えば必ず自分も飢餓に陥るでしょう」と人々を戒めています。
人間の欲には限りがなく、会社の中で出世したいとか、お金持ちになりたいとか様々ですが、そのために人の手柄を横取りしたり、大切な物を奪ったりしたら必ず報いを受けますよ。
目線を変えて現状に満足しすれば、飢えや渇きから解放されます。欲望を断つことは難しいことです。
が、日々の生活の中での些細なことに感謝し、現状に満足し、精神的に満ち足りた生活を送りたいものですね。
「吾唯足知」足るを知る心で。
上記の文章は日蓮聖人が古い中国の故事を引用し、法華経の改宗したことで父に勘当され苦しい生活を余儀なくされている池田宗仲・宗長兄弟に宛てた言葉です。
中国の故事とは周王朝に仕えていた、人柄も頭もすぐれた兄弟がいました、しかしある事情により山奥に隠れ住むようになり、食べる事にも事欠く苦しい生活をしていました。
その兄弟を不憫に思った天が、白鹿となり兄弟の前に現れ、乳を与えます。彼らはその乳で何とか命を繋いでいました。
がある日、この白鹿を殺し、肉を食べようと言い出しました、その言葉が天の怒りを買い、白鹿を姿を消してしまいます。
兄弟はやがて餓死をすることになりました。たった一言のために・・・。
「朝令暮改」という言葉もありますが、昨日言ったことをすぐに撤回する現総理大臣の事を頭に浮かべてしまいます。
発言は慎重にすべきだという事ですよね・・。
一度口からでた言葉は、取り消すことが出来ません。行いや言動は十分に考えてから…これまでの大切な物を失う大事になるかも知れません。
日蓮聖人はこの文章に続けて「さいわいは心より出でて我をかざる」と言っておられます。何気なく口から出た言葉が相手を傷つけ敵を作り、ついには災いのもとになる。
一方心のこもった言葉は幸いをもたらす」という意味です。
発信元の顔が見えないSNSでの誹謗中傷などによって、若い人の自殺事件を時折ニュースなどで見かけます。
自分がやられて嫌なことは相手も嫌です。「日々三省」で!