心のともしび 1日一編の法話

2022-10-11 09:53:00

 仏教の修行の段階を十段階に整理した「十地論」の中に三種の供養が説かれています。

一、和供養 物を仏に供え人にも施す

二、敬供養 仏様を敬い先祖の霊等をまつる

三、行供養 仏の教えを身に行う、または先祖なり親なりの教訓を守り行う事。

中でも行供養を重要とします。

 仏教年中行事である春秋彼岸。施餓鬼供養、先祖供養、有縁無縁の追善供養などは三種供養の中で最も大切な供養とされています。

「花は開いて果(このみ)となり日は出で必ずみち燈(ともしび)は油を差せば光を増し草木は雨ふれば栄ゆ 人は善根をなせば必ず栄う」日蓮聖人

 

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2022-10-09 11:06:00

 春、山々に咲いた花は華麗な文様を織りだした錦のように咲き競っています。
 桜の花は「三日見ぬ間の桜かな」のたとえのように散るのもあっという間です。
人々がsakuraを謳歌するのも、生滅、変化し移りかわり滅びゆくものの美しさ、無心に咲き散りゆく美しさに魅力を感じるのです。

 「みわたせば柳桜をこきまぜて 都ぞ春の錦なりける」(古今和歌集)

 古来、花王と称せられ花といえば「さくら」、日本の国花である桜を大事にしていきたいものです。

 

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2022-10-08 08:52:00

 いくつになっても新年を迎え祝うことは心持が新しくさわやかな気分となります。
用明天皇の皇子聖徳太子は、深く仏教に帰依され仏教興隆に尽力されました。
 あらゆる差別を超え争いを捨て、幸せに生きるという理念を仏教思想の中に見出された太子の「和を以て貴しとなす」の御言葉は現代社会の課題です。
「和」とはおだやかなこと、なごやかな、のどかなこと、このような生活を持ち続けるためには「和」こそ人生のよりどころです。

 「さしのぼる朝日のごとくさわやかに 持たまほしきは心なりけり」(明治天皇御製)

新年の、朝日の如くさわやかな心を持ち続け、一年を過ごしたいものです。

 

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2022-10-04 08:31:00

 食べ物の好き嫌いに限らず、人や物事に対しても好き嫌いの我がままを押し通そうとすると、いつの間にか世界が狭くなり、物の見方も偏ったものになり、その本質を正しくつかむことができなくなります。

 「夏の虫雪をしらず」は、短期間で死ぬ虫は四季を知らない、勿論雪のことは知らない、つまり世間知らず、世間見ずのたとえです。
好き嫌いを押しと通そうとする我がままな生き方に早く気付かねばなりません。

 

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2022-09-30 23:47:00

 仏教で戒めていることに「驕慢(きょうまん)」があります。
驕慢 慢心とはおごり高ぶりほかに勝たんとる心です。
 これは多かれ少なかれ、内在する人間の大きな欠点といわれ、他人の長所や美点、善行や美徳の話には耳を覆い、悪事や醜聞の噂には聞き耳を立て、劣れるものを見下して快心を覚え、勝れるものには欠点を探して嫉妬するなどのことです。

 「君子は人の美を成して人の悪を成さず、小人は之に反す」(論語)
日常、手近に多くみられる驕慢の心を捨て、人の美を成して人の悪を成さずの戒めを教訓として邁進したいものです。

 

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