心のともしび 1日一編の法話

2023-01-28 16:54:00

 ”宇宙でたった一つの生命細胞が偶然に生まれる確率は奇跡に等しいものであり、他の生き物ではなく、まして人間に生まれる確率はさらに低いのである。
人間に生まれ落ちた私たちの命は、奇跡の連続によって存在することを知り、貴重な一度限りの人生を大切に生きるべきである”
と日蓮聖人は言われました。

 

 私事ですが、この一月あまり体調を崩し緊急入院をし正に生死の境をさまよっておりました。
3度の危篤状態(40分間の心肺停止)を乗り越え、奇跡的に戻って来ることが出来ました。
病院の医療スタッフの皆様のご尽力には只々感謝するのみです。

 このような状態から、後遺症もなく生還できたのは、正に奇跡と言うしかありません。
あの世を垣間見て、現世に戻されたという事は、私にはまだまだ成すべき事が残っているという事でしょう。

 現在はまだ回復にむけてのリハビリの最中ではありますが・・・。
これからは、仏様に与えられた命の大切さをかみしめながら、私の使命を果たすことに邁進してまいります。

2023-01-24 11:19:00

 数年前に流行語大賞をとった「忖度」という言葉がある。
立場が上の人の状況を考慮し、指示されていない事を行ってしまうという、否定的な言葉だと受け止めている人が多いのではないでしょうか?
 しかし本来「忖度」は他人の心情を推し量る事、また、推し量って相手に配慮することとあります。
日本人らしい繊細な美しい言葉であると思います。
そんな忖度文化が生み出した言葉に「さようなら」という言葉があります。
さようなら「さようであるならば・・・」という接続語が日常の別れる時の言葉となった、世界でも類を見ない言葉らしいです。
・・・・の部分に様々な状況を推し量り、「また会いましょう・・・元気でいてください・・・健闘を祈ります・・」などの心情が含まれたたった5文字の別れの挨拶の言葉です。
美しい言葉であると思います。
日々の暮らしの中で、頻繁に使っている言葉の中にも脈々と流れる美しい日本の文化があるのですね。


2023-01-19 14:43:00

「くりかげの御馬はあまりをもしろくをぼへ候程に、いつまでもうしなふ候。」

日蓮聖人が信者の一人にこのような手紙を送り、あなたが用意してくれた栗鹿毛の馬はとても立派で愛おしく失いたくありません。と馬への慈愛の心を滲ませています。
今日、淀川に迷い込んでしまい、海に帰る事が出来ないまま死んでしまった。クジラの「淀ちゃん」が多くの人の手で広い海に搬送されているそうです。
生きたまま、海に帰る事が出来なかったことは本当に残念ですが、生まれ育った大海に帰る事が出来るというニュースを聞いて、少なからず救われたような気持ちになりました。
海底に沈めることにより、淀ちゃんの体が沢山の他の魚たちの命を育むかもしれません。
 命の連鎖といいますが、私たちは沢山の命を頂きながら日々生きているのです。
全てのものに感謝し、すべての命に慈愛の心を忘れずに生きていきたいものですね。

2023-01-17 13:29:00

今日で28年。
沢山の言葉より、一つの音楽が心をいやす事もあります。
大切なもとを沢山失うと、人は笑うしかない・・・。

2023-01-16 15:57:00

 1995年1月17日5時46分阪神淡路大震災が起きた。
明日で28年です。
もう28年も経ったのか…時の過ぎる速さにおどろかされる。

 地震直後はあまりの揺れの凄さに、夢か映画のワンシーンかと錯覚したのを今でも覚えている。これが現実に起きた事であると自覚するのに少しの時間を要した。
外に出ると、水道管からは水が噴き出し、毛布に包まり震えながら揺れが収まるのを待っていた。 震度6強の揺れは数分間続き、皆驚きと恐怖で顔色を失っていた。
日が明けると周りの景色は一転しており、見る影もないくらい家が潰されていた。
潰れた家のがれきの下敷きになった人も多数いた、家から火があがり、逃げられず皆の見守りの中で人が亡くなっていく光景を幾つも見た。
その時以来人生観が変わった。

 仏教の教えに 三宝印がある。
その一つは「諸行無常」常に全ての現象は移り変わっているという教えである。全てのものが大地震によって破壊され、沢山の命も奪われた。一瞬の出来事、振り返ると悲しさに満ちている。天が与えられた運命なのだろう。
 二つ目は「諸法無我」 今まで現実に有るものが、跡形もなくなり存在していたものも全て形を変えて存在しているのは過去の記憶と想念だけ。
こうだろうと思っていた概念は何一つ成立しない、空の世界だった。
 三つめは「涅槃寂静」である。
震災その後の生活を通して、すべての現象、世の中に対してあるがままに受け入れる自分の心の窓に気が付いた。

 仏教の教えは矛盾の無い真理である。
だからこそ明日への力になり皆平等に知恵の光明へと導かれてくれるのです。
阪神淡路大震災から多くの事を学ぶことが出来た事は、悲しみ苦しみの枠を超えて今は心の中の魂として大事にしている。
 28年たった今、コロナやインフルエンザなど新種の細菌による天災。気候変動による様々な災害。これらも中にも私たちは目を背けることをせず、今を強く生きることの大切さを感じるのです。
法華経の教えこそ、過去現在未来に繋がる教えなのです。 合掌    中山浄敬

 

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