いくつになっても新年を迎え祝うことは心持が新しくさわやかな気分となります。用明天皇の皇子聖徳太子は、深く仏教に帰依され仏教興隆に尽力されました。 あらゆる差別を超え争いを捨て、幸せに生きるという理念を仏教思想の中に見出された太子の「和を以て貴しとなす」の御言葉は現代社会の課題です。「和」とはおだやかなこと、なごやかな、のどかなこと、このような生活を持ち続けるためには「和」こそ人生のよりどころです。
「さしのぼる朝日のごとくさわやかに 持たまほしきは心なりけり」(明治天皇御製)
新年の、朝日の如くさわやかな心を持ち続け、一年を過ごしたいものです。
食べ物の好き嫌いに限らず、人や物事に対しても好き嫌いの我がままを押し通そうとすると、いつの間にか世界が狭くなり、物の見方も偏ったものになり、その本質を正しくつかむことができなくなります。
「夏の虫雪をしらず」は、短期間で死ぬ虫は四季を知らない、勿論雪のことは知らない、つまり世間知らず、世間見ずのたとえです。好き嫌いを押しと通そうとする我がままな生き方に早く気付かねばなりません。