心のともしび 1日一編の法話
「命と申す物は一身第一の珍宝なり。一日なるともこれをのぶるならば千万両の 金にもすぎたり。法華経の一代の聖教に超過していみじきと申すは 寿量品のゆへぞかし。閻浮第一の太子なれども短命なれば草よりもかろし。日輪のごとくなる智者なれども 夭死あれば 生犬に劣る。」
これは日蓮聖人が命の大切さを説いた言葉です。
昨夜のニュースで報道されていました。親の介助が疎ましく、父親を絞殺し、それを見られたといって母親も殺し自宅の冷蔵庫の中で遺棄した60歳の男性に判決が下ったそうです。
刑期は30年という長いものでした。大変悲惨なニュースです。
日蓮聖人がおっしゃる通り命はたった一つの大切な物です。
他人の命も自分の命も同じ、この世にたった一つの大切な物なのです。
魂の世界はあるのかもしれませんが、私たちの今生きているこの現世に浄土はあるのです。
命の大切さを今一度考え、ゆっくりと生きていきたいものですね!
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ 」
今から100年以上前にドイツを統一に導びき「鉄血首相」と呼ばれたビスマルクの言葉です。
自分が初めて経験することでも長い歴史の中で、類似したことが起きており先人たちの対応や知恵を学ぶことが出来ます。
日本でも「孫子の兵法」や古文書などを沢山の武将が学んだという事が言われています。
現に今でも多くの企業のリーダー達は「孫子の兵法」から学び取った知恵をビジネスの世界で活用しておられますね。
以前にある有名な映画監督が「映画によって過去を変える事は出来ない、しかし未来は変える事が出来ると信じている」
と話していたのを思いだしました。
世界中で争いによって沢山の命が失われている昨今、国のリーダーの方々に、戦争によって失うものの大きさを今一度歴史から読み取ってもらいたいものですね。
大晦日までの喧騒はどこへやら 一夜明けて元日になると静かで 晩秋の暮のような寂しさがある・・・。
このような解釈らしいのですが、いかがでしょうか?
この句は松尾芭蕉が40歳の時 200年以上前に歌った句です。
状況は随分違ってきましたが、今も昔も文化としての日本人のお正月への感性に普遍的な物を感じます。
12月は師走と言われるくらい人々は忙しく過ごしますが、除夜の鐘を聞きながらゆったりとした気分で新年を迎える事を家族で喜び合い
新年のあいさつを交わします。
このようなお正月の風景がこれからもずっと続くことを心より願うばかりです。
「正月は1日のはじめ、月の始め、としのはじめ春の始め。」
日蓮聖人のこの 新年を迎えた喜びの言葉にあるように、どのような事でも始めが肝心です。
仏法では「発願」という言葉があり、悟りを求める心を起こす事です。第一に発願がなければ悟りの道は歩めません。
それほど大切なのは「はじめ」というものです。
「1年の計は元旦にあり」と言いう言葉もあるように。
今日は昨年の反省とともに今年一年の計画や目標を考え、ぜひとも有意義な一年にしてくださいね。