心のともしび 1日一編の法話

2023-03-04 16:43:00

 私たちが日常の生活の上で頻繁に使っている言葉の中には、実は仏教に起源をも持つ言葉が沢山あります。
「有頂天」という言葉、仏教では、形ある世界(色界)の最上位の世界という事です。
「有頂天外」とはその最上位の天からさらに外に出るという意味で、世界の絶頂、この上ない喜びの事を表す言葉になりました。
 しかし、現在私たちはこの有頂天になる・・・という言葉を良い意味では使っていません。
  あまりの嬉しさのあまり、他の人の事を考えず他人をに不愉快にさせてしまう人の事を冷ややかに「有頂天になっている人」
と表現します。

 考えると、歳を重ねた今よりも若い頃は「有頂天」になっていた事が多かったように思うのは私だけではないのではないでしょうか?
確かに人は若さを失うごとに。出来ない事が多くなっていきます。困難は増えていきます。
若い頃に比べると、多くなっているのは心を許せる本当の友人であり、兄弟・家族ではないでしょうか?
若い有頂天だった頃の自分を振り返り、自分は人を傷つけてきたのではないか? 不愉快にさせてきたのではないか?と考える事もありますね。

 これからの数少ない「有頂天」なれる機会には周りの気持ちも考える事にしましょう・・・。
それが出来る年齢になったのですから。