心のともしび 1日一編の法話

2023-01-16 15:57:00

 1995年1月17日5時46分阪神淡路大震災が起きた。
明日で28年です。
もう28年も経ったのか…時の過ぎる速さにおどろかされる。

 地震直後はあまりの揺れの凄さに、夢か映画のワンシーンかと錯覚したのを今でも覚えている。これが現実に起きた事であると自覚するのに少しの時間を要した。
外に出ると、水道管からは水が噴き出し、毛布に包まり震えながら揺れが収まるのを待っていた。 震度6強の揺れは数分間続き、皆驚きと恐怖で顔色を失っていた。
日が明けると周りの景色は一転しており、見る影もないくらい家が潰されていた。
潰れた家のがれきの下敷きになった人も多数いた、家から火があがり、逃げられず皆の見守りの中で人が亡くなっていく光景を幾つも見た。
その時以来人生観が変わった。

 仏教の教えに 三宝印がある。
その一つは「諸行無常」常に全ての現象は移り変わっているという教えである。全てのものが大地震によって破壊され、沢山の命も奪われた。一瞬の出来事、振り返ると悲しさに満ちている。天が与えられた運命なのだろう。
 二つ目は「諸法無我」 今まで現実に有るものが、跡形もなくなり存在していたものも全て形を変えて存在しているのは過去の記憶と想念だけ。
こうだろうと思っていた概念は何一つ成立しない、空の世界だった。
 三つめは「涅槃寂静」である。
震災その後の生活を通して、すべての現象、世の中に対してあるがままに受け入れる自分の心の窓に気が付いた。

 仏教の教えは矛盾の無い真理である。
だからこそ明日への力になり皆平等に知恵の光明へと導かれてくれるのです。
阪神淡路大震災から多くの事を学ぶことが出来た事は、悲しみ苦しみの枠を超えて今は心の中の魂として大事にしている。
 28年たった今、コロナやインフルエンザなど新種の細菌による天災。気候変動による様々な災害。これらも中にも私たちは目を背けることをせず、今を強く生きることの大切さを感じるのです。
法華経の教えこそ、過去現在未来に繋がる教えなのです。 合掌    中山浄敬