初唐の詩人劉廷芝(りゅうていし)の有名な詩に「年年歳歳花相にたり、歳歳年年人間じからず」とあります。この詩には、自然は変わらなくても人の境遇はたやすく変化するという諸行無常が詠みこまれています。私たちはこうあって欲しい、ああやって欲しいと願っても、すべて変化してゆくためそこから苦しみが生まれます。これを乗り切るためには忍耐、こらえること、我慢することが必要です。
物事に耐えることができないと、自他の生命が軽視されて現生では大変なことが毎日のように起こっています。忍耐は相手に同化するゆとりとおおらかな心を養ってくれるのです。