住職ギャラリー 

2026-05-26 15:52:00

「梅雨の走り」に感じた日本語の美しさ

三寒四温を過ぎ日々暑さが増すこの時事

お寺の新緑も雨に濡れ、いっそう鮮やかさを増す季節となりました。

先日何気につけていたテレビから「梅雨の走り」という言葉が聞こえてきました。

 本格的な梅雨が始まる前の、まるで前触れのよにぐづつくお天気のことを指す言葉です。

「もうすぐ雨の季節がはじまりますよ」と、自然がそっと私たちに教えてくれているような優しく風情のある言葉だと思いませんか?

単に天気が悪いと片づけるのではなく、移り変わる季節のわずかな兆しを捉えて「走り」と表現する・・・。

私は、こうした日本語の繊細な圧倒的な美しさに度々感動を覚えます。

 雨一つとっても「春雨」「五月雨」「夕立」「時雨」など、風の吹き方にも「薫風」「東風」「そよ風」数限りなくあります。

日々の生活の中で私たちは季節や感情のほんのわずかな違いをすくい取る「美しい日本語」を使っています。

言葉は私たちの心を形作る「器」のようなものです。白か黒か、〇か×か、という明確な境界線だけでなく、その間にあるグラデーションを大切にする日本語だからこそ、私たち日本人の中に「相手を思いやる優しさ」や「他者の痛みに気づく繊細さ」が自然と植え付けられてきたように思えてなりません。

はっきりと言葉にしなくても「察する」という文化や相手を傷つけないように配慮する細やかな気づかいは まさにこの美しい日本語が長年にわたり日本人に植え付け育んでくれた宝ものだと思います。

 梅雨の走りが過ぎれば、本格的な梅雨の季節。

どうぞ皆様体調に気を付けて心穏やかな日々をお過ごしください。     合掌